2010年度トルコ調査報告会プログラム
2011年3月26日(土)
- 13:00
- 挨拶
- 阿部 知之 (中近東文化センター理事長)
- 13:10
- アナトリア考古学研究所の活動(2010年)
- 大村 幸弘 (中近東文化センター附属アナトリア考古学研究所)
- 13:30
- 第25次カマン・カレホユック発掘調査
- 大村 幸弘 (中近東文化センター附属アナトリア考古学研究所)
- 14:00
- 第2次ビュクリュカレ発掘調査
- 松村 公仁 (中近東文化センター附属アナトリア考古学研究所)
- 14:30
- 休憩
- 15:00
- 第2次ヤッスホユック発掘調査
- 大村 正子 (中近東文化センター附属アナトリア考古学研究所)
- 15:30
- 2008-2010年度ハジュトゥール・ホユック考古学的予備調査
- 山下 守 (中近東文化センター附属アナトリア考古学研究所)
- 司会:吉田 大輔 (中近東文化センター附属アナトリア考古学研究所)
- 17:00
- 懇親会
第25次カマン・カレホユック発掘調査
第25次カマン・カレホユック発掘調査では、北区で『文化編年の構築』、南区では『鉄器時代の集落址』に焦点を合わせて行いました。特に北区では、第IIIc層のアッシリア植民地時代 (前20〜18世紀) 、その直下の第IVa層の中間期時代 (前21〜20世紀) 、また、南区で第IIc層 (前9〜8世紀) と第IId層 (前12〜9世紀) の調査を行いました。第25次発掘調査は日本学術振興会科学研究費補助金 (基盤研究S 2010-2014年)、JKA、住友財団、文化保護・芸術研究助成財団、真如苑、日本たばこ産業の助成を得て行われました。
第2次ビュクリュカレ発掘調査
ビュクリュカレ遺跡は、トルコ最長の川クズルウルマック(赤い河)の西岸に位置する一辺約600mの規模をもつヒッタイト帝国時代の都市遺跡です。1991、2006年に一般調査、2008年に発掘予備調査を行い、2009年より発掘調査を行っています。2010年度第2次調査では前年度に確認された前2千年紀後半ヒッタイト帝国時代の城壁の発掘、さらに同時代の火災層の発掘を行いました。
第2次ヤッスホユック発掘調査
ヤッスホユック (クルシェヒル県チャイアウズ村) は、カマン・カレホユックから東約25kmに位置し、南北500m、東西625m、高さ13m のアナトリアでも比較的大きな遺丘です。2007–2008年の予備調査を踏まえ、2009年に本格的発掘調査を開始しました。2010年の第2次発掘調査は、遺丘の頂上中央部において第Ⅱ層の大建築遺構を発掘することを主眼としました。この建築遺構は、出土遺物等から紀元前2千年紀の初頭に年代付けられると推定されます。第2次発掘調査は日本学術振興会科学研究費補助金(基盤研究B 2008-2011年)の助成を得て行われました。
2008-2010年度ハジュトゥール・ホユック考古学的予備調査
ハジュトゥール・ホユックは、アンカラの南西約60kmに位置する、直径650m、高さ26mの大規模な遺丘であり、1970年代のトルコ調査隊による試掘調査で鉄器時代フリュギアの都市遺跡であることが確認されています。同遺跡の新たな組織的発掘調査に備えて、2008年から2010年まで考古学的予備調査を行いました。その結果、遺跡の最上層には中期/後期フリュギア時代に属すると考えられる、城壁を備えた巨大な都市遺構が存在することが確認されました。さらにまたその下層には前期フリュギア時代やヒッタイト時代の遺構が残存する可能性の高いことも明らかとなりました。この予備調査は日本学術振興会科学研究費補助金(基盤研究B 2008-2010年)の助成を得て行われました。