お知らせ(2014年度掲載分)

■ハナと子犬が庭園で元気に走り回っています

2月初旬に生まれたハナの子犬が元気一杯に庭園の芝生を走り回っています。子犬たちの行動範囲がこのところかなり広くなってきました。母親のハナが、子犬たちと遊んでいる姿はなんとも微笑ましいです。あと二ヶ月ぐらいで乳離れをすることでしょう。(2015年3月19日)

ハナと子犬 2015年早春 (1) ハナと子犬 2015年早春 (2)
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■アナトリア高原に春が近づいてきました

マイナス20度にもなる厳冬が去り、アナトリア高原に待ちに待った春が近づいてきました。アナトリア考古学研究所の側にある三笠宮記念庭園の木々の蕾もふっくらしてきましたし、木々の幹も少し緑がかってきました。越冬した鯉もいたって元気そのものです。このところ日中の気温も20度近くになり、庭園の手入れが本格的になってきました。1993年の開園以来、庭園の管理にあたっている労働者が8名入り作業をおこなっているところです。上の池のクリーニングのため、鯉は下の池に移動し池の床に敷き詰められている砂利の洗浄を盛んに行っているところです。4月初旬には、例年通り一般公開できそうです。今シーズンも8万人を超す来園者で賑わうことと思います。(2015年3月18日)

2015年アナトリア高原の早春 (1) 2015年アナトリア高原の早春 (2) 2015年アナトリア高原の早春 (3) 2015年アナトリア高原の早春 (4) 2015年アナトリア高原の早春 (5) 2015年アナトリア高原の早春 (6) 2015年アナトリア高原の早春 (7) 2015年アナトリア高原の早春 (8)
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■アナトリア考古学研究所冬期間の活動

1月の極寒が過ぎ、時折雪に見舞われることがありますが、アナトリア高原は少しずつですが春に向かい始めているようです。三笠宮記念庭園の木々の幹も心持ち緑がかってきています。研究所では、六名のウスタ(親方)が中心となり、昨年出土した遺物の実測作業、セクション図の作成、土器の復元作業などを行っているところです。この作業は3月末まで続きますが、3月中旬ともなりますと第7次ビュクリュカレ遺跡の発掘調査の準備に入ることになっています。それと同時に、三笠宮庭園の手入れも始まります。(2015年2月21日)

アナトリア考古学研究所2015冬 (1) アナトリア考古学研究所2015冬 (2) アナトリア考古学研究所2015冬 (3) アナトリア考古学研究所2015冬 (4) アナトリア考古学研究所2015冬 (5) アナトリア考古学研究所2015冬 (6)
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■2014年度トルコ調査報告会・第25回トルコ調査研究会終了

中近東文化センター附属アナトリア考古学研究所は、2月11日(水・祝日)、12日(木)の二日間にわたり、東京の三鷹市芸術文化センターで調査報告会、研究会を行いました。初日は、昨年、研究所が行った主な活動、カマン・カレホユック、ヤッスホユック、ビュクリュカレ遺跡の発掘調査、クルシェヒル県遺跡踏査に関する報告、二日目は、三遺跡から出土している青銅製品、土器、ガラス、炭化物の年代測定、鉄製品、地中探査等に関する研究発表が行われました。両日合わせて350名を超す方々にご来場頂いたことは何よりでした。この会は、現在、アナトリア考古学研究所が、どのような発掘調査を行い、出土遺物の研究をどのように進めているかを報告会、研究会を通して公開することを目的としております。2015年度も4月初旬から第7次ビュクリュカレ遺跡発掘調査、6月中旬から第30次カマン・カレホユック遺跡発掘調査、そして8月下旬から第7次ヤッスホユック遺跡発掘調査を行う予定です。調査結果は、次回の報告会、研究会でご報告させて頂ければと思っております。(2015年2月20日)

2014年度報告会・第25回研究会 (1) 2014年度報告会・第25回研究会 (2) 2014年度報告会・第25回研究会 (3) 2014年度報告会・第25回研究会 (4) 2014年度報告会・第25回研究会 (5) 2014年度報告会・第25回研究会 (6) 2014年度報告会・第25回研究会 (7) 2014年度報告会・第25回研究会 (8)
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logo*2014年度トルコ調査報告会・第25回トルコ調査研究会は
「競輪公益資金」の補助を受けて開催されました。



■ハナと子犬

1月26日、アナトリア考古学研究所のカンガル犬のハナがお産をしました。初めてのお産でしたので心配していましたが、子犬四匹をハナは上手く育てています。4月初旬頃になり少し温かくなってきたところで、研究所の敷地内を走り回ることを想像すると今から楽しみです。村からは、ハナの子犬を欲しいとの話もありますが乳離れをするまでは研究所で育てたいと思っています。子犬が生まれたことで研究所の中がこんなに明るくなるとは、本当に久しぶりです。(2015年2月6日)

ハナと子犬 2015年冬 (1) ハナと子犬 2015年冬 (2)
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■アナトリアも真冬に入りました

12月、そして1月初旬のカマンは例年に較べて比較的温かな日が続いていましたが、1月6日頃から天候も急変、久しぶりに雪降りに見舞われています。寒さも早朝マイナス10度前後とカマンもやっと本格的な真冬に入った感じがします。アナトリア考古学研究所の側にある三笠宮記念庭園、カマン・カレホユック考古学博物館は、すっぽりと雪におおわれてしまいここ数日ほとんど訪ねてくる人もありません。この寒波は北のロシアから入ってきているとのこと、ここ一週間は寒さと雪に悩まされそうです。研究所内では、昨年出土した遺物の整理、土器等の実測が盛んに行われています。この作業は初春を迎える3月末まで続きます。(2015年1月7日)

2015年アナトリア高原の真冬 (1) 2015年アナトリア高原の真冬 (2) 2015年アナトリア高原の真冬 (3) 2015年アナトリア高原の真冬 (4) 2015年アナトリア高原の真冬 (5) 2015年アナトリア高原の真冬 (6)
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■アナトリアも初冬に入りました

クルシェヒル県の遺跡踏査を行っている際には、小春日和とでも云うのでしょうか。日中は汗をかくぐらいの暑さにまで気温もあがりましたが、遺跡踏査が終わった先週ぐらいから一気に天気も急変、雨模様の日に見舞われるようになりました。と思っていましたら、21日の朝から降っていた雨が夜になり霙になり、今朝は目を覚まして驚いたことに高原はすっかり銀世界になっていました。いよいよアナトリア高原も冬に入りました。つい先日まであれだけ真っ青な空が高原を覆っていましたが、そんな青空を見るのも当分お預けになりそうです。研究所のあるチャウルカン村はすっかり冬支度も終わりひっそりと冬ごもりに入った感じがします。夕方になると石炭を焚いているにおいが研究所まで流れてきます。(2014年11月23日)

2014年アナトリア高原の初冬 (1) 2014年アナトリア高原の初冬 (2) 2014年アナトリア高原の初冬 (3) 2014年アナトリア高原の初冬 (4)
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■アンカラ日本人会来所

10月25日(土)、生憎の雨模様でしたが、アンカラの日本人会のメンバー44名が、ヤッスホユック遺跡、カマン・カレホユック考古学博物館、アナトリア考古学研究所を訪ねてきました。ヤッスホユック遺跡では、大村正子隊長がヤッスホユック遺跡の発掘状況を詳細に解説、前3千年紀末に年代付けられている宮殿址ではメンバーから幾つもの質問があり大いに盛り上がりました。その後、バスでアナトリア考古学研究所へと向かい、ドネルケバッブの昼食を召し上がって頂きました。ドネルケバッブは、1シーズンで一回あるかないかのご馳走で、ヤッスホユックの発掘調査、カマン・カレホユックで保護屋根架けを行っている労働者、庭園の管理をしている労働者、博物館の館員にも振舞われました。考古学博物館では、松村研究員が約1時間にわたって展示遺物を解説、その後三笠宮記念庭園の紅葉、研究所での作業等を見学、4時には宿泊予定のクルシェヒルのホテルへと向かわれました。(2014年10月27日)

アンカラ日本人会来所 (1) アンカラ日本人会来所 (2) アンカラ日本人会来所 (3) アンカラ日本人会来所 (4) アンカラ日本人会来所 (5) アンカラ日本人会来所 (6) アンカラ日本人会来所 (7) アンカラ日本人会来所 (8)
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■アンカラのプルサックラルの女学校が来館

10月20日(月)、アンカラのプルサックラルの女学校の生徒、約200名が7名の先生に引率されてカマン・カレホユック考古学博物館を訪ねてきました。これまで博物館にはカマン、クルシェヒル等の近場の小学校、中学校、高校等からの生徒達の来館が中心でしたが、このところアンカラ等、かなり遠いところからも訪ねて来るようになっています。小、中、高校生が博物館を訪ねてきた際には、できる限り研究所としても博物館を案内するように心がけています。彼らとの会話もなかなか楽しいもので、今回も30分ほど発掘調査について話しをし、館内を一緒に回りました。(2014年10月24日)

プルサックラルの女学校が来館 (1) プルサックラルの女学校が来館 (2) プルサックラルの女学校が来館 (3) プルサックラルの女学校が来館 (4)
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■アナトリア高原は紅葉の時期を迎えました

ここ数日の早朝の寒さは初冬を思わせるぐらいです。40度を超す真夏の暑さが懐かしく感じるのは我々だけではないかと思います。二日前にはついに早朝の気温もマイナス3度まで下がりました。トルコで最も寒いと言われる東アナトリアのエルズルムにはついに雪が降ったとのこと。そこから寒風が中央アナトリアに流れ込んだのでしょうか。発掘現場のヤッスホユックにある水たまりも薄い氷が張っていたのには驚きました。この寒さで三笠宮記念庭園のモミジをはじめ、ソメイヨシノ等は紅葉し始めました。その美しさに引かれたのでしょう。土、日の午後は、紅葉を見に来る来園者で庭も大賑わいになっています。この紅葉も終わるのも10月末、その後はいつ雪が降っても不思議ではありません。銀世界にアナトリア高原が包まれるのももう直きです。(2014年10月23日)

2014年アナトリア高原の紅葉 (1) 2014年アナトリア高原の紅葉 (2) 2014年アナトリア高原の紅葉 (3) 2014年アナトリア高原の紅葉 (4) 2014年アナトリア高原の紅葉 (5) 2014年アナトリア高原の紅葉 (6)
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■ARIT-The American Research Institute in Turkey来所

10月18日(土)、ARITのエリフ・デネル所長等が、アナトリア考古学研究所を訪問。カマン・カレホユック、ヤッスホユック、ビュクリュカレ遺跡で発掘調査を行っている研究員と懇談しながらの丸一日でした。最初にカマン・カレホユック考古学博物館の見学、その後三笠宮記念庭園、研究所、そして現在発掘調査を行っているヤッスホユック遺跡見学と盛りだくさんでしたが、あっという間に一日が過ぎてしまいました。ヤッスホユックの発掘現場では、隊長の大村正子研究員に途切れることなく質問をし、現場を離れる時間もすっかり忘れてしまうほどで、予定時間を完全にオーバーしてしまいました。生憎、朝から雨に祟られ、傘を手放せない一日でしたが、ヤッスホユック遺跡の見学の際には雨も上がり、隊長と一緒に保護屋根の架かっている宮殿址をゆっくり見学してもらうことが出来たのが何よりでした。(2014年10月23日)

アメリカ研究所来所 (1) アメリカ研究所来所 (2) アメリカ研究所来所 (3) アメリカ研究所来所 (4) アメリカ研究所来所 (5) アメリカ研究所来所 (6)
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■JIAA Late Bronze Age Glass Workshop終了

アナトリア考古学研究所は、イギリスのノッチンガム大学と共催で後期青銅器時代のガラスをテーマに取り上げ、イギリス、トルコ、オーストリア、そして日本の研究者を研究所に招き、 9月26日、27日の両日に渡ってワークショップを行いました。このワークショップを開催した背景には、これまでカマン・カレホユックから出土しているガラス製品に関する分析がほぼ終わったこと、ビュクリュカレで出土したガラス容器が、前16世紀に年代付けられることがC14からほぼ同定されたこと等がありました。特にビュクリュカレ出土のガラス容器は、現段階ではアナトリア最古のものと考えられていることから、アナトリアにもガラスのアトリエがあったのではないかとする討論がガラス研究者の中でここ数年行われていたことも、今回ワークショップを開催する切っ掛けとなりました。イギリスのヘンダーソン教授がビュクリュカレ遺跡出土のガラス製品を分析した結果、明らかにこれまでの分析結果、つまりメソポタミアで製作されたものとは違う組成値が出てきたことを発表、ワークショップの会場は大いに盛り上がりました。これまでの研究では、前2千年紀のガラス生産は、メソポタミア、エジプトが中心として考えられていましたが、今回のヘンダーソン教授の仮説で、前2千年紀のアナトリアにもガラスを生産する工房があった可能性を示すもので、今後かなり議論がなされるものと思われます。今回のワークショップは、後期青銅器時代のガラスがテーマでしたが、次回はカマン・カレホユック、ヤッスホユック、ビュクリュカレ遺跡から出土している建築遺構について取り上げることが出来ればと考えております。(2014年9月30日)


Workshop 2014 (1) Workshop 2014 (2) Workshop 2014 (3) Workshop 2014 (4) Workshop 2014 (5) Workshop 2014 (6)
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■博物館学フィールドコース(2014年)終了

文化・観光省と共催で行った9月8日から始まった博物館学フィールドコースは、9月20日に終了しました。アダナ、ガーズィアンテップ、トラブゾン、イズミル、アンタルヤ、エルズルム等の博物館から若手の修復専門家が参加、ほとんどの学芸員は文化・観光省に入ってまだ半年も経っていないこともあり、全員が実にフレッシュで新しい技術などを吸収しようとする姿勢を感じました。土器、青銅製品、鉄製品等の処理を行うとともに、X線装置を使っての金属製品の処理には強い関心も持っていたのが印象的でした。来年度もこのフィールドコースは開催したいと考えております。(2014年9月29日)

博物館学フィールドコース (1) 博物館学フィールドコース (2) 博物館学フィールドコース (3) 博物館学フィールドコース (4)
博物館学フィールドコース (5) 博物館学フィールドコース (6) 博物館学フィールドコース (7) 博物館学フィールドコース (8)
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■アナトリアは初秋に入りました

あれだけ暑かったアナトリアの夏もいつの間にか過ぎ、このところの早朝の気温は、7〜8度と大分冷え込んできました。高原の色も先週から降った雨で変わってきました。小麦畑の耕作があちこちで始まっていますが、播種は10月に入りますと本格化するものと思います。キャンプの葡萄も食べごろになり、食卓に山積みされています。三笠宮記念庭園の紅葉も心持ち色付いてきています。8月の土、日には村、町で結婚式をあげたグループが一日少なくとも十組は来て記念撮影をしていたようですが、9月中旬を過ぎますとその姿もほとんど見られなくなってきました。一雨一雨でアナトリアの気温がぐんぐん下がります。それに合わせるように紅葉が始まると思います。(2014年9月24日)

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■博物館学フィールドコース(2014年)開始

アナトリア考古学研究所は、トルコの文化・観光省と共催で博物館学フィールドコース(2014年)を、9月8日(月)から開始しました。20日(土)まで継続して行う予定です。今回は、トルコの地方博物館に勤めている若手の修復の専門家を招くこととし、第1回目のフィールドコースには、ガズィアンテップ、ブルサ、ディアルバクル、アンタルヤ、トラブゾン、エディルネ、イズミル等の博物館から10名が参加しています。ほとんどが20代です。初日は、このフィールドコースを何故開催したのか等を解説、午後はカマン・カレホユック考古学博物館、カマン・カレホユック遺跡、アナトリア考古学研究所を案内、その後は遺物を登録する上での遺物撮影を研究所の写場で、研究所側から松村公仁研究員と大島隆之カメラマンの二人が指導しました。カメラがデジタル化していますが、撮影の際のライティングについて事細かな説明もあり、参加者は一生懸命メモをとっていました。二日目からは登録の仕方、遺物のスケッチを行う上での基本的実測などの授業が始まり、三日目から遺物の処理、X線を使っての遺物観察等、息つく暇のない程のプログラムを、現在参加している参加者は必死にこなしているところです。土曜日の最終日には、発掘現場で遺物の取り上げ等の授業もあり、それらをすべてこなしたところでフィールドコースは終わることになっています。(2014年9月12日)

博物館学フィールドコース (1) 博物館学フィールドコース (2) 博物館学フィールドコース (3) 博物館学フィールドコース (4)
博物館学フィールドコース (5) 博物館学フィールドコース (6) 博物館学フィールドコース (7) 博物館学フィールドコース (8)
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■古代ガラスに関するワークショップ

アナトリア考古学研究所は、9月27日(土)、28日(日)の二日間に渡って古代ガラスに関するワークショップを開催します。ビュクリュカレ遺跡からは、2011年の発掘調査で前2千年紀のガラス容器が出土し、現在その研究が盛んに行なわれています。今回のワークショップでは、アナトリアで発掘調査を行っている調査隊の中でも、ガラスに関する研究を進めている遺跡の担当者を交えて討論が行う予定です。(2014年8月15日)


■アナトリア高原は真夏に入りました

4月中旬、僅か一日だけでしたが、急激に気温が下がってしまい果物、カマン名産の胡桃、アーモンドが大打撃を受けてしまいました。研究所の胡桃もサクランボも、サワーチェリーも全て過滅的な状態となり、今シーズンはほとんど実を付けませんでした。サクランボは例年ですと値段も1キロ100円前後にまで下がるのですが、今年はそうは行きませんでした。ほとんどの果物は昨年の倍の値段です。いつも野菜、果物を買っているカマンの八百屋さんが、サクランボも今週で入荷は終わりですよ、と研究所のコックさんに伝えてきたようです。6月初旬から続いたサクランボも店じまいと言うところでしょうか。これからは西瓜、メロンの最盛期を迎えることになります。今シーズン、唯一研究所の果物として葡萄だけはどうしたことか急激な気温の降下に影響を受けなかったようです。9月の収穫期が楽しみです。それと高原が真夏を迎えたことで、油を採るために栽培している向日葵が元気一杯花を開いています。早朝、重そうに首を傾げている向日葵が、日の出とともにぴんと背筋を延ばして太陽に向かう姿には、何か元気づけられるものがあります。遺跡の周辺の野花も、研究所の入口のコスモス、バラも美しく咲き誇っています。(2014年7月27日)

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■考古学教室(2014年7月)

第29次カマン・カレホユック発掘調査は、6月23日に開始、作業は順調に進んでいます。今シーズンもチャウルカン村の高校生、大学生を数多く労働者として採用しています。彼らは労働者としての意識はどちらかと云えば希薄で、毎週土曜日に開いている考古学教室に興味を持っているようです。12日のクラスでは、今シーズン二度目になりますが、私が中央アナトリアの歴史の流れを旧石器時代から後期青銅器時代まで解説しました。その後で発掘作業に欠かすことの出来ないレベルの設置のトレーニングを行いましたが、密かに練習を積み重ねていたのでしょうか。殆どの労働者は1〜2分で設置することが出来たのは驚きでした。北区の一番深いところでは、今年高校を卒業し、9月から大学生になるサメット君が、前期青銅器時代の発掘区を丹念に説明してくれました。説明した後には、なかなか活発な質疑応答もあり、サメット君も大分自信をつけたようです。(2014年7月17日)

考古学教室(2014年7月)(1) 考古学教室(2014年7月)(2) 考古学教室(2014年7月)(3) 考古学教室(2014年7月)(4) 考古学教室(2014年7月)(5) 考古学教室(2014年7月)(6)

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■新藤義孝総務大臣来所

新藤義孝総務大臣は、トルコの中心市街地の活性化や情報通信技術分野における協力強化に向けて、トルコの関係閣僚らとの意見交換や先進的な取り組みの視察などを目的として、7月9日〜10日にかけてトルコのアンカラ、イスタンブルを訪問。大臣は、超過密の日程の中、7月9日(水)の午後、アナトリア考古学研究所が発掘調査を行っているビュクリュカレ遺跡、カマン・カレホユック遺跡、カマン・カレホユック考古学博物館、三笠宮記念庭園、そして研究所を視察、特にビュクリュカレ遺跡では予定時間をオーバーする形で発掘責任者の松村公仁研究員の説明に耳を傾けて下さっていたのが印象的でした。(2014年7月14日)

新藤義孝総務大臣来所 (1) 新藤義孝総務大臣来所 (2) 新藤義孝総務大臣来所 (3) 新藤義孝総務大臣来所 (4)
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■保存修復室にX線装置設置

アナトリア考古学研究所は、現在、中央アナトリアに位置するカマン・カレホユック、ヤッスホユック、そしてビュクリュカレの3遺跡の発掘調査を進めており、何れの遺跡からも毎年数多くの遺物が出土しています。出土する遺物は、研究所の保存修復室で順次処理されているものの、これまで一番我々を悩ませてきたのが、鉄製品、銅製品、青銅製品等の金属製品でした。腐食が何処まで進んでいるかも判らないままの処理では、どうしても手間取ることが多く、早急にX線装置が必要不可欠なことは前々から言われていたことでした。これはと云う重要遺物に関しては、カマンにある国立病院のX線で撮影を行ってきており、これまでも大分迷惑を掛けたのではないかと思います。X線設置により、今後は研究所内での撮影が可能となりました。先日はアメリカのファクストロン社(X線納入先)から専門家が研究所を訪れ装置の使用についての説明がありました。小遺物ですと一回で数十点を撮影出来ますので、かなりの効果を発揮するものと思います。この装置の導入にあたりましては、アンカラの日本大使館を通して日本の万博記念基金に申請、研究所内設置が認められた次第です。研究所の保存修復室に導入するまで日本大使館、万博記念基金からは一方ならぬお力添えがあったことを記して置きたいと思います。誌上を借りまして厚くお礼を申し上げます。研究所設立以来、X線の必要性を痛感しておりましたが、なんとか今シーズン設置することができましたので出土遺物の処理はおおいに捗るものと思います。(2014年7月10日)

保存修復室にX線装置設置 保存修復室にX線装置設置 保存修復室にX線装置設置 保存修復室にX線装置設置
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■第36回発掘・一般調査・考古保存科学国際シンポジウム

トルコ共和国文化観光省主催『第36回発掘・一般調査・考古保存科学国際シンポジウム』が6月2日(月)から6日(金)まで、ガズィアンテプのゼウグマモザイク博物館で開催されました。

2013年度にトルコ国内において実施された発掘調査から各地博物館による行政発掘を除き、146件のトルコ調査隊と40件の外国調査隊による発掘調査、92件の一般調査、そして49件の保存科学及び個別研究に関する発表が、連日午前9時から午後5時まで行われ、アナトリアで現在進行中の考古学調査の最新情報がもたらされました。

会期中の6月4日(水)午後、文化観光省文化財博物館総局主催の外国調査隊長会議も開かれ、文化財博物館総局と外国調査隊長との間で様々な懸案事項が議論されました。

アナトリア考古学研究所からは、松村公仁、大村正子が参加し、カマン・カレホユック、ビュクルカレ、ヤッスホユックの2013年度発掘調査、及びクルシェヒル県における一般調査について発表しました。

ゼウグマモザイク博物館では、ゼウグマ遺跡で発見されたローマ時代の邸宅及び街を飾っていたモザイクが展示されていますが、その規模、数には圧倒されるものがあり、一見の価値があります。この他、ガズィアンテプには、有名なカルケミシュ、ジンシルリ、ティルメンホユック、イェセメク等の遺跡があります。(2014年6月19日)

第36回発掘・一般調査・考古保存科学国際シンポジウム 第36回発掘・一般調査・考古保存科学国際シンポジウム 第36回発掘・一般調査・考古保存科学国際シンポジウム 第36回発掘・一般調査・考古保存科学国際シンポジウム 第36回発掘・一般調査・考古保存科学国際シンポジウム 第36回発掘・一般調査・考古保存科学国際シンポジウム 第36回発掘・一般調査・考古保存科学国際シンポジウム 第36回発掘・一般調査・考古保存科学国際シンポジウム
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■第25回トルコ調査研究会延期のお知らせ

カマン・カレホユック出土の鉄資料を主題とする第25回トルコ調査研究会は、 3月という当初の予定を延期し、6月中旬に予定しておりました。しかし、資料の分析をお願いしていた研究機関のAMS-加速器質量分析計の故障により、測定が大幅に遅れ、再度延期せざるを得ない状況となりました。測定結果を明らかにした上で、研究会を開催したいと考えております。

日程が決まりましたら、新ためてホームページでお知らせ致します。(2014年5月31日)



■アナトリア考古学研究所退職者の集い(2014年)

今年もアナトリア考古学研究所退職者の集い(2014年)が、5月27日(火)、午後3時半から研究所の食堂で行われました。昨年、集いがあることを当日ぎりぎりになってから連絡したこともあり参加者が少なかったため、今シーズンは2週間前に連絡を取りました。これまで30名近くの村人が研究所の発掘作業、建設工事等を通して退職しています。亡くなった退職者も3名おります。今年の会には、15名が集まってきてくれました。ほとんどが夏場は村で、冬はアンカラにいる子供たちの側で過ごしているとのことです。聞くところによりますと、村では真冬の薪、石炭ストーブを焚くのがかなりきついとのことで、暖房の効くアンカラに移動しているようです。参加してくれた退職者からの情報では、会に来られなかった仲間も皆元気とのことで一安心しました。年金は、一ヶ月日本円で5万円ほどですが、村で生活している限りおつりが来るぐらいだと言って笑っていました。彼らには小さいながらも畑があり、新鮮な野菜を毎日のように食べることが出来ますし、自家製のパンが主食となりますと、5万円の年金は十分なのかもしれません。退職者の中で一番の年配は、セイホさんとハッサンさんです。今年で82歳になったとのことです。チャイ(トルコティー)を飲み、コックさんの作ったケーキ、果物等を食べた後、記念撮影をしましたが、セイホさんとハッサンさんが私のところに来て、来年も会えるように健康に気をつけて生活しなければならないね、招待してくれて有り難う、と言いながら帰って行ったのが印象的でした。(2014年5月30日)

退職者の集い2014年 (1) 退職者の集い2014年 (2) 退職者の集い2014年 (3) 退職者の集い2014年 (4) 退職者の集い2014年 (5) 退職者の集い2014年 (6) 退職者の集い2014年 (7) 退職者の集い2014年 (8)
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■カマン・カレホユック博物館での考古学学校(2014年5月)

5月20日、アナトリア考古学研究所は、カマン・カレホユック考古学博物館と共催でチャウルカン村の110名の小、中学生を対象とした考古学学校を開催しました。私が最近の発掘調査の話しをした後、子供たちはグループ別に分かれ、粘土板に楔形を刻んだり、ロクロを使い土器を作成したりと楽しい一日を博物館で過ごしました。昼食はカマン郡の郡長さんが用意してくださいましたが、天気が良かったこともあり、それを食べながら元気に庭園内を走り回っていました。博物館に陳列されている遺物を写生するもの、中には入口にあるヒッタイト帝国時代のライオン像を描いている小学生も何人かいました。写生を指導していた先生は、10年ほど前にカマン・カレホユック発掘調査に2年参加したことがあったとのことで、子供たちに土器が出土した時の話し等を丁寧に話していましたが、こんな形で先生になって村に戻っているとは思ってもいませんでした。子供たちにこれまで博物館へ何度来たかを尋ねたところ、ほとんどの子が数えることが出来ないほど来たと大声で答えてくれたのが何より嬉しいことでした。学校の帰りには必ず博物館、庭園に寄ってから家に帰るんだ、と嬉しそうな顔で話してくれたのを聞いた時は、博物館もやっと村に溶け込み始めている感じを受けました。博物館のガードの人たちに言わせると、村の子供たちは学校の帰りに博物館に立ち寄り、鞄をガードに預けて、ひと遊びをしてから家に帰って行く子が多いとのことです。博物館も三笠宮記念庭園も村の子供たちの遊び場になっているようです。(大村幸弘)(2014年5月27日)

考古学学校(2014年5月)(1) 考古学学校(2014年5月)(2) 考古学学校(2014年5月)(3) 考古学学校(2014年5月)(4) 考古学学校(2014年5月)(5) 考古学学校(2014年5月)(6)

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■トルコ外務省大使夫人、アンカラ駐在大使夫人来館

アナトリア高原も例年に較べて雨が少なく、真夏の水不足が心配です。5月に入り、数日雨模様の日が続いたことで高原の緑が一段と濃くなってきました。ただ、それでも水不足の解消にはなっていないようです。天気が回復しますと、三笠宮記念庭園やカマン・カレホユック考古学博物館を訪ねてくる人で相変わらず賑わっています。先週は、結婚式を挙げたばかりの新婚夫婦が庭園で記念撮影をしていましたが、結婚シーズンの6月に入ったと同時にその数も増すことかと思います。5月10日(土)には、トルコ外務省の大使夫人、アンカラ駐在大使夫人のグループがカマン・カレホユック考古学博物館を訪ねてきました。発掘調査に興味があるとのことで、博物館へ来る前に現在発掘調査を盛んに行なっているビュクリュカレ遺跡も訪ねたとのことでした。博物館内ではビュクリュカレ遺跡出土の『水晶製の豹』、カマン・カレホユック遺跡出土の『金製獅子』に目を輝かせて観賞していました。今シーズンから、カマン・カレホユック考古学博物館の入館料が5リラ(約250円)になりました。小、中、高校生はもちろん無料ですが、この入館料によって少し訪ねてくる人が減ったようですが、観光客の大型バスが毎日2〜3台は入ってきており、今までとは少し違った雰囲気が博物館に出てきています。(2014年5月15日)

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■第23回博物館緊急発掘調査シンポジウム

ここ十年、トルコにおける建築ラッシュ、インフラ整備には凄まじいものがあります。どの地方都市へ行っても目に入るのは、高層のアパート群ですし、舗装された素晴らしい国道です。もちろん、これに伴って考古学の緊急発掘調査数も急増しております。緊急発掘調査は、大学の考古学科が行うこともありますが、多くは考古学博物館が中心となって行われています。何れの発掘調査も工事等に伴うものですから、緊急を要すことには変わりありません。アンカラ、イスタンブル等の考古学博物館等は、考古学科を卒業した学芸員を数多く抱えておりますので、緊急発掘調査に対応することはそれほど難しいとは思いませんが、それが地方博物館となるとそうは行かないようです。学芸員不足等から発掘をスムーズに進めることが出来ないとの話しをよく耳にします。特に、このところ建築ラッシュが地方にも及んでいることを考えますと、地方博物館の重要性が今後一段と増していくことは間違いありません。

第23回博物館緊急発掘調査シンポジウムが、5月4日から7日までシリア国境に近いマルディンの町で開催され、文化・観光省の招待で参加しました。この会では、トルコ文化・観光省が管轄する考古学博物館が行った緊急発掘調査に関する53の発表が行われましたが、どの博物館も十分な発掘器材、調査費用がない中で孤軍奮闘していることが痛いほど解りました。シンポジウム参加者は、約300名、彼らの多くは博物館の学芸員、保存修復の専門家などが中心で、博物館間の交流の場にもなっているようです。各セクションが終わったところで10分〜15分の討論が行われていましたが、それはなかなか活発なもので討論時間が足りないような気もしました。それらの中でも、イスタンブルの地下鉄工事に伴う緊急発掘調査(ゼイネップ・クズルタン・イスタンブル考古学館長)は、既に終わった調査とは言え、発掘調査後の出土遺物の整理、今後の出版等、多くの問題を提起しておりましたが、これは何もイスタンブルだけではなく全ての博物館にも当て嵌まる問題点ではないかと思いました。トルコの文化・観光省からの要請で、シンポジウムの初日に『アナトリア考古学研究所の発掘調査と遺跡保存』についての講演(大村幸弘)を行いましたが、講演終了後、遺丘の保存について多くの質問を受けたのには驚きました。講演会で最も伝えたかったのは、遺跡保存を行う上での資材は、全て地元で確保出来るものを使うべきであるし、それに関わる作業員は発掘を行った者が中心であるべき、と主張したつもりですが、この考えが何処まで受け入れられたかは定かではありません。今後の博物館の遺跡保存に注目したいと思っております。(大村幸弘)(2014年5月8日)

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■三笠宮記念庭園のソメイヨシノ満開

ここ一週間の暖かさのせいでしょうか。三笠宮記念庭園のソメイヨシノが開花、一部満開になりました。昨年より二週間以上も早い開花です。ソメイヨシノの開花と同時に他の花々も一気に咲き始めました。高原の緑も一段と濃くなってきています。ただ、これから一番心配なことは朝夕の気温が一気に下がること、つまり寒波の突然の襲来です。ここはアナトリ高原ですので、昨日まで日中20度前後の気温があっても、翌日の早朝の気温がマイナス前後に下がることもしばしばですし、氷が張ることもあります。急激な寒さで、花を付けたサクランボ、杏、アーモンド、胡桃等が壊滅的な被害を受け、果実を実らせることなく、村人を落胆させることがあります。その寒波が来ないことをただ祈るばかりです。(2014年4月7日)

2014年三笠宮記念庭園の桜 (1) 2014年三笠宮記念庭園の桜 (2) 2014年三笠宮記念庭園の桜 (3) 2014年三笠宮記念庭園の桜 (4) 2014年三笠宮記念庭園の桜 (5) 2014年三笠宮記念庭園の桜 (6) 2014年三笠宮記念庭園の桜 (7)
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