フィールドコース
フィールドコースは、考古学及び関連分野に興味を持つ学生、若手研究者を対象に、カマン・カレホユック発掘調査を基盤に、出土した遺物等を使って、研究の基礎知識、方法を指導する入門コース、さらにより研究を深めるためのアドバンスコース等、時々に応じて専門家によってアレンジされます。今までに、保存修復、植物考古学、動物考古学、形質人類学、古環境学、考古学等の分野で行なわれてきました。
■考古学フィールドコース(2014年)終了
8月11日に開始した考古学フィールドコースも、8月23日に終了しました。この二週間のフィールドコースで、アナトリア考古学概論、土器の形式編年、遺物研究、発掘調査、そして毎日行われる夕方6時からのミィーティングとかなり盛りだくさんでしたが、無事全員難関を乗り切り研究所を後にしました。最終日は、遺物研究に関するプレゼンテーションもありましたが、2週間の短期間にしては比較的良くまとまっているものが多く今後が楽しみです。来シーズンも考古学フィールドコースを開催する予定ですが、その詳細につきましては近日中に研究所のホームページに掲載する予定です。(2014年9月12日)
■考古学フィールドコース(2014年)参加者キュルテペへ
8月11日に始まった考古学フィールドコースも順調に進んでいます。7名の参加者も灼熱の暑さに耐えて元気にカマン・カレホユック遺跡の発掘現場に毎日通っています。8月17日(日)、フィールドコース参加者は、発掘調査隊員と一緒にキュルテペ遺跡を訪ねました。キュルテペ遺跡は、カマン・カレホユックの東約210キロに位置、1948年、タフシン・オズギュッチ教授によって調査が開始された遺跡です。2005年からはフィクリ・クラックオウル教授が継続して調査を行っている丘状の遺跡で、アナトリア考古学の中で前3千年紀後半から前2千年紀前半にかけて中心的役割を演じている遺跡でもあります。キュルテペ遺跡のカールム(アッシリア商人の居留区)からは数多くの粘土板文書が出土していることでも知られています。8時に研究所を出発、10時半、カイセリ着、その後直ぐ町の中心にあるカイセリ考古学博物館を尋ねました。今回はヒッタイト学のセダット・エルクート准教授も同行、博物館内にあるヒッタイト帝国時代の碑文の解説をして頂きました。その解説はなかなか熱の入ったものであり、興味深い内容で、流石はセダット准教授だと思いました。キュルテペ遺跡は、カイセリの北東約15キロに位置しますが、この十年でカイセリの町は、人口も百万を越すなど余りにも大きくなっていたのには驚きましたし、町が遺跡にぐんぐん近づいてきているのが手に取るように判りました。発掘現場では、遺丘、カールムをフィクリ教授が案内をして下さいましたが、遺丘の前期青銅器時代の発掘調査は、現在盛んに進められています。遺丘での暑さは、優に50度を超しているのではないかと思うほどの暑さでしたが、その中で教授は前3年紀後半の建築遺構を丁寧に解説してくれました。ここ数年の発掘で多くの印影が出土したとのことで、今後の調査が大いに期待されるものと思います。また、キャンプも以前のものとは見違えるほど変わっていたのには驚きました。遺跡を案内して頂いた後には、キャンプでチャイをご馳走になり、5時半、キュルテペ遺跡を後にし、9時30分研究所に戻りました。(2014年8月21日)
■考古学フィールドコース(2014年)開始
アナトリア考古学研究所では、例年、カマン・カレホユック発掘調査に合わせて考古学フィールドコースを行っています。今シーズンも、8月11日から2週間に渡って行われるコースには、日本の6大学から7名が参加しています。10日(日)の午後に研究所に到着、翌日からフィールドコースの時間割に合わせて早朝6時から授業が始まりました。初日は、研究所でアナトリア考古学概論、その後カマン・カレホユック考古学博物館、発掘現場で層序についての授業を受けた後、各区に2名づつ入り本格的発掘を開始しました。(2014年8月20日)