フィールドコース
フィールドコースは、考古学及び関連分野に興味を持つ学生、若手研究者を対象に、カマン・カレホユック発掘調査を基盤に、出土した遺物等を使って、研究の基礎知識、方法を指導する入門コース、さらにより研究を深めるためのアドバンスコース等、時々に応じて専門家によってアレンジされます。今までに、保存修復、植物考古学、動物考古学、形質人類学、古環境学、考古学等の分野で行なわれてきました。
■考古学フィールドコース 2010■
第1回目
アナトリア考古学研究所主催の考古学フィールドコース2010第1回目は、7月12日(月)から7月24日(土)までの2週間行われました。コースではビュクリュカレとカマン・カレホユック遺跡において発掘調査の実践が、研究所では古代アナトリアの編年、カマン・カレホユック出土の土器、保存修復についての講義や、遺物の取り上げ方、遺物実測、遺物撮影等、および遺物研究の指導が行われました。
第2回目
考古学フィールドコース2010の第2回目は、7月26日(月)から8月7日(土)までの2週間行われました。コースではカマン・カレホユック考古学博物館の見学, カマン・カレホユック遺跡において発掘調査の実践など, 研究所では古代アナトリアの編年、カマン・カレホユック出土の土器、青銅器についての講義、遺物の取り上げ方、遺物実測、遺物撮影等、および遺物研究の指導が行われました。7月31日(土)には、アンカラのアナトリア文明博物館、フリギア王国の都ゴルディオンとハジュトゥールホユックを見学しました。
第3回目
第三回目の考古学フィールドコースは、8月9日(月)〜21日(土)に行なわれました。カマン・カレホユック遺跡で実際に発掘に参加し、アナトリア考古学研究所、そして開館したばかりのカマン・カレホユック考古学博物館で考古学、保存科学、分析化学等の授業を受けました。また、14日(土)にはアッシリア商業植民地時代の中心的都市の一つであったアジェムホユック遺跡の隊長でありアンカラ大学のアーリエ・オズタン教授に案内して頂きました。同日には、ビザンチン時代の洞窟教会のあるカッパドキアも見学しました。最終日の21日にはコース期間中に発掘調査と平行して各自行ってきた遺物研究の口頭レポートを行ないました。
今回で今シーズンの総ての考古学フィールドコースは終了しました。
■植物考古学フィールドコース、形質人類学フィールドコース
植物考古学フィールドコースが2010年7月12日〜17日に開かれました。 講師は病気のため急遽来られなくなったアンドゥリュー=フェアベルン(クィーンズランド大学助教授/オーストラリア)に代わりクリスティン・ブレッディが担当しました。2009年度にカマン・カレホユック、ヤッスホユック、ビュクリュカレで採取された資料から、フローテーション・マシン(種子を採集する装置)を使い植物遺存体を抽出し、顕微鏡観察する等、実践的トレーニングが行われました。
形質人類学フィールドコースが2010年7月12日〜17日に開かれました。講師はヴェロニカ=ハント(イギリス)が担当し、カマン・カレホユックI層(オスマン時代)出土の人骨を用いながら、部位の同定、性別判断、死亡年齢の推定等、実践的指導が行われました。
併行して行われた上記の3フィールドコースでは、7月17日(土)に、ヒッタイト帝国の都ボアズキョイと宗教都市アラジャホユックを見学しました。